異世界餌屋7.5話:珍モノの宝庫、大市

「しかし、あの人はどうやって動物じゃないほうの人食い植物なんて手に入れたんかなぁ」

先ほどきたお客を思い出し、声に出てしまう。

 

動物ではなく、本物の人食い植物は生息地域が非常に限られてくる。さらに発見したとしても採取にも手間がかかったり(下手するとたべられちゃうしね)と流通するのが非常に稀な植物だったはずだ。栽培下での増殖方法もまだ確立されてなかったはず…。

 

「あれじゃない?『大市』で運よく手に入れたとか」

「あー、可能性はあるな」

氷室さんが言う『大市』とはこの国で定期的に開催される国内外の行商人が集まり様々な物が売りに出される大規模な展示即売会だ。

確かに様々な物が集まるあの市では可能性がありそうだ。

 

ガチャ…

 

そんなことを話していると店のドアが開き

「ごめん、遅くなった」

と謝りながらロバートが入ってくる。・

「おお、ロバート、お仕事お疲れさん」

「ロバ兄ぃ!遅いよぉ!」

私と氷室さんがそれぞれ入ってきたロバートに声をかける。

 

「いや、氷室ちゃん君が早いんだよ」

そうやって店の中にある空いている椅子に座る。この3人が集まるときは私の店か夜だと『わふう』がほとんどだ。

 

「で、なんの話で俺はここへ氷室ちゃんに呼ばれたのかな?」

「そうそう!次回の大市一緒に行こうと思って!二人は何か見たいものとかある?」

そう、今回集まったのは近々開催される大市に一緒に行こうということで何を見に行くかの話し合いのためだ。

大市は事前にどんな店が出る予定なのかも分かる分厚いパンフレットも販売されるほど規模が大きく、何を見るのかをあらかじめ決めておかないと無駄に時間を過ごしてしまう。

 

「特にはないかな。私は氷室さんに合わせるけど」

「俺も黒斐と同じ意見かな。氷室ちゃんが見たいものがあればついていくよ」

私は徳のい目当ての物が無いので氷室さんに合わせる意思を伝える。ロバートも同じ意思のようだ。

 

「そうなの!?じゃあ私は宝石関係が見たいんだ。可愛い妹のために!」

氷室美華には妹がいる。姉とは違う非常におしとやかな性格な。

姉妹で年が離れているのもあってか氷室さんは妹を非常に可愛がっているのだ

「じゃあ、それで決まりかな。氷室さんの買い物が終わったら適当にぶらぶらする感じで」

「オッケー!」

「俺もそれでいいよ」

 

私が出したブラつき案を2人の了解を得たとこで、氷室さんが持ってきていたパンフレットをパラパラと開いて出店予定の店を確かめる。

大市には本当に様々な店が出てくる。特にほしいものが無いとはいえどんな物が見れるか楽しみだ。